vol.2 キャラメル・ママ(Tin Pan Alley)

"メイド・イン・ジャパン"のブルージーンズ、『EDWIN』。

日本から発信するジャパンクオリティとして、世界のファッションシーンからも注目されているデニムブランドだ。

そんな『EDWIN』がお届けする、世界に通用するハイクラスでハイクオリティジャパニーズサウンド、それが"Blue Music"である。

良くも悪くも、相対する意味を持つ"Blue"という言葉。 ココではさまざまなイメージを想像させてくれる、日本が世界に誇るジャパンクオリティなグッドミュージックを"Blue Music"として紹介してゆく。

Vol.2「日本の音楽シーンを変えた歴史的ブルーミュージック」

アーティスト:Tin Pan Alley
アルバム:『キャラメル・ママ』
(レーベル:PANAM / 発売年:1975年)
A面
01.CARAMEL RAG
02.CHOPPERS BOOGIE
03.はあとぼいるど町
04.月にてらされて
05.CHOO CHOO GATTA GOT '75
B面
01.SHE IS GONE
02.ソバカスのある少女
03.JACKSON
04.YELLOW MAGIC CARNIVAL
05.BALLADE OF AYA

今回、ご紹介するのは、スーパー音楽ユニットTin Pan Alley(ティン・パン・アレー)の1975年にリリースされた記念すべきファーストアルバム『キャラメル・ママ』。

あえて“スーパー”と付けたのは、日本の音楽シーン、、、とくにポップスミュージックシーンを変えたといっても過言ではない、最重要音楽ユニットであるからだ。

メンバーは、72年までバンド、はっぴいえんどのメンバーとして活動していた細野晴臣と鈴木 茂、そして当時、アレンジャー、プロデューサー、そしてスタジオミュージシャンとして活動していた林 立夫、松任谷正隆(松任谷由実の夫)による4人組。

彼ら自体は、もともと前身グループであるキャラメル・ママというバンド名で活動していたが、このアルバムを機に名前をTin Pan Alleyに変更。しかも、元のバンド名をアルバムタイトルにしたという、、、ちょっとややこしい作品である。

本作は、メンバーの4人がそれぞれのプロデュース作品を2曲ずつ持ち寄ってアルバム化させたモノ。

そういった作品でもあるので、とにかく、曲によってテイストがまったく異なっているというのも、この作品の特徴であり、おもしろい部分のひとつである。

なんと言っても、とくに「YELLOW MAGIC CARNIVAL」だろう。
おそらく、この曲で初めて” YELLOW MAGIC”という言葉を世に放ったという、歴史的最重要トラック。プロデュースは、もちろん細野晴臣。
彼の十八番でもあるさまざまなジャンルの音楽をごた混ぜにした”チャンキー”なサウンドで、ふんわりと体毛をゆらすようなドンチャカ系ミドルビートに、オリエンタル感?というか、コスモポリタン感がたっぷりなメロディーが気持ちいいナンバーである。

そして、ユーミンこと荒井由実が作詞作曲をおこない、編曲&ヴォーカルが松任谷正隆というメキシカンな夫婦ナンバー「月にてらされて」。
メキシカンと言っても本場感あふれる天井知らずな陽気さはなく、なんとも哀愁というか、ノルデスチ感あふれるというか。つまり日本の歌謡シーン特異のワビサビメロディをあわせもつ、まさにオリエンタルミュージックで、いい感じのユルさがたまらない、まさにユーミンサウンドの真骨頂である。
声を聴けばわかるというのもすごい話だが、山下達郎と大貫妙子のコーラスワークもすばらしすぎ。

林 立夫プロデュースの「SHE IS GONE」は、「本当に日本人がつくったの?」と疑うくらい超がつくほどのアーバンなAORサウンド。このすばらしいヴォーカルは、ゴールデン・カップスのキーボーディストだったジョン山崎、そしてコーラスに桑名正博&晴子兄弟という濃ゆいメンバーが参加。
ミドルビートなセツナグルーヴが身にシミる。

さらに、鈴木茂プロデュースのボサノヴァサウンド、「ソバカスのある少女」。この心に沁みこむような歌詞は松本隆によるもの。掛けあい的なゲストヴォーカルには、永遠のシティボーイこと南佳孝が参加。
そのやさしく包みこむようなサウダージすぎるサウンドが、ポッカリと空いた心の隙間をうめてくれる、日本を代表するジャパニーズボッサグルーヴである。

そんな感じで、この盤を語らずして、現在の日本のポップスシーンを語るなかれ!と言っても過言ではない本作。

それまでの日本の音楽シーン、歌謡シーンを完全にひっくり返した、日本音楽史上、超がつくほど最重要なブルーミュージックなのである。


カネコヒデシ(BonVoyage)

MediaDirector / Editor & Writer / DJ / Journalist
編集プロダクション"BonVoyage"主宰、社会派カルチャーなWEBマガジン『TYO magazine/トーキョーマガジン』発行人。
ニッポンのちょっといい音楽を紹介するプロジェクト『Japanese Soul』主宰。

WEB、紙、空間など、さまざまなメディアを駆使して時代を編集するオトコ。
毎月第三金曜日に渋谷のBar「NIGHTFLY」にて、DJイベント『Japanese Soulナイト』を開催中!

・TYO magazine/トーキョーマガジン: http://tyo-m.jp/
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