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vol.5 しばたはつみ

"メイド・イン・ジャパン"のブルージーンズ、『EDWIN』。

日本から発信するジャパンクオリティとして、世界のファッションシーンからも注目されているデニムブランドだ。

そんな『EDWIN』がお届けする、世界に通用するハイクラスでハイクオリティジャパニーズサウンド、それが"Blue Music"である。

良くも悪くも、相対する意味を持つ"Blue"という言葉。
ココではさまざまなイメージを想像させてくれる、日本が世界に誇るジャパンクオリティなグッドミュージックを"Blue Music"として紹介してゆく。

Vol.5「圧倒的な歌唱力とパフォーマンス力のシンガーレディー」

アーティスト:しばたはつみ
アルバム:『シンガー・レディ』
(レーベル:COLUMBIA / 発売年:1975年)
A面
01.シンガーレディー
02.もう一度聞かせて
03.ステージ・ドア
04.折れたヒールの女
05.ショウガール
B面
01.帰らざる日々
02.白夜の果て
03.雨に流れて
04.20世紀フォックス映画
「ファンファーレ」より
~ シンデレラ・シューズ
05.愛のプリズム
06.ララバイ・オブ・スター

あまりにも日本人ばなれした圧倒的な歌唱力とパフォーマンス力を兼ねそなえた、まさに唯一無二の存在と言っても過言ではないソウルシンガー、しばたはつみ。

彼女は、ジャズを中心に、ソウルやポップス、そして歌謡曲までを幅ひろく歌いこなす実力派シンガーである。
「マイ・ラグジュアリー・ナイト(77年)」で「NHK紅白歌合戦」への出場も果たしているので、歌謡曲好きな方であれば、その名を耳にしたコトがあるだろう。

父親がピアニストで、母親がヴォーカリストという音楽一家に生まれた彼女は、なんと!9才で米軍キャンプで歌いはじめ、11才で”スマイリー小原とスカイライナーズ”の専属歌手となるという、、、まさに生まれながらにしてのヴォーカリストだ!
その後、20才の時に単身渡米し、アメリカ・ショービジネスの世界を体感し帰国。1974年の「合鍵」でソロデビューを果たす。

そんな彼女が1975年に世に放ったセカンドアルバムが、この『シンガーレディー』だ。

プロデューサーに、アニメ『ルパン三世』のサントラでおなじみのジャズピアニスト大野雄二をむかえた、ジャズ&ソウルサウンドをベースにした本作。

しかし、70年代当時の音楽的な流れの中心といえば、やはりフォーク、もしくは流行歌というか歌謡。
そんな時代に、こんなジャジーでファンキーなサウンドをニッポン国内に放つなんて、、、まさに日本の音楽シーンに一石を投じた作品と言っても過言ではないだろう。

とくに、タイトル曲でもある「シンガーレディー」は、ルパンサウンドなみ、いやそれ以上の高速ジャズファンクに、艶っぽくもファンキーな彼女の歌声がすばらしすぎる一曲。個人的には、コレほどまでファンクを感じる日本人ヴォーカルの作品はほとんどない。そして、歌詞を読んでもらえばわかるが、それまでの彼女自身の人生を歌ったかのような作品でもある。
ちなみに、大野雄二がルパンサウンドを生み出すのが1977年。そう考えると、もしかしたらコレがあのサウンドの元になっているのかも、、と思えるような世界でも類を見ない激ジャズファンク。
途中のベースラインが、ドリフターズの「ドリフの早口ことば」でおなじみの「生麦生米生卵」ラインが!あの時代を知っている人には、否が応でも思い出してしまうフレーズをループ。オリジナルは不滅のソウルシンガー、ウィルソン・ピケットの「ドント・ノック・マイ・ラブ」だったと思うが。ドリフターズがいかにソウルやジャズのマニアだったかが分かる部分でもある。。。いや、ドリフターズの話はどうでもいいのだが。

さらに、もしかしたら自身の生涯と照らし合わせているかのような歌詞の「ショウガール」。サラっと聴くと意外とズンドコ感あふれるブルースなのではあるが、ラグジュアリーなミッドナイト的キラキラミラーボールサウンド。そこはやはり大野雄二のなせる業かと。

B面には、ルパン感というよりはむしろ不二子感あふれる「白夜の果て」。あのオレンジ色の夕陽をバックに、地平線を単車を飛ばす不二子の姿が目に浮かぶ、グッドサウンド。

さらには、ちょっとというよりだいぶミュージカルチックな「20世紀フォックス映画 「ファンファーレ」より ~ シンデレラ・シューズ」。彼女が歌っているからクオリティが高いのは当たり前なのだが、「なぜコレ!?」という疑問は隠しきれない。

とはいえ、そのほかに収録されている楽曲は、あまりにもアーバンで、あまりにもラグーン、そしてサルーンなソウル&ファンクミュージックばかり。

彼女のソウル・シンガーとしての魅力が十二分に発揮された、まさに奇跡のブルーミュージックなのである。


カネコヒデシ(BonVoyage)

MediaDirector / Editor & Writer / DJ / Journalist
編集プロダクション"BonVoyage"主宰、社会派カルチャーなWEBマガジン『TYO magazine/トーキョーマガジン』発行人。
ニッポンのちょっといい音楽を紹介するプロジェクト『Japanese Soul』主宰。

WEB、紙、空間など、さまざまなメディアを駆使して時代を編集するオトコ。
毎月第三金曜日に渋谷のBar「NIGHTFLY」にて、DJイベント『Japanese Soulナイト』を開催中!

・TYO magazine/トーキョーマガジン: http://tyo-m.jp/
・Japanese Soul: http://japanesesoul.jp/