あえて変わらず、時代を見つめてきたジーンズがある。
テレビゲームや携帯型音楽プレイヤー、国民的アニメなど、
現代に繋がるカルチャーや技術が次々と誕生した1980年代。
生活様式やファッションにも新たな息吹が吹き込まれ、
私たちを取り巻く環境は日進月歩の変化を続けてきた。
全てが生まれては消えていくように思えた変革の時代。
そんな激動の中にあっても流行りに流されず、
“変わらない革新“を粛々と受け継ぐジーンズ、「インターナショナルベーシック」。
歴史の波すらも超越するこのジーンズとともに、カルチャーとファッションの歴史を覗いてみよう。
“大衆“から“コンシューマー“へ。技術革新により家電の小型化が進み、娯楽がより身近な存在になった1980年代。スタイルごとの価値観で楽しむという感覚がファッションに浸透し、アメカジ、DC、プレッピー、コンサバなど海外発祥のスタイルを日本風に昇華した装いが世の中を席巻した。今でも人気の高い80'sスタイルはその後のファッション史にも大きな影響を与えている。
1981年に産声をあげたインターナショナルベーシックはデビュー当時から変わらない5タイプのシルエットが人気のロングセラーシリーズ。現在もリバイバルされることが多い80'sスタイルにもナチュラルにフィットする。特にオススメなのがスリムE406のストーンウォッシュ。風合いのあるライトブルーとスッキリとしたシルエットにより、軽快な足元を演出してくれる。
カリスマと呼ばれる各業界のアイコンが着用するアイテムが流行するなど、ファッションリーダー的存在に強い影響を受けた90's。バスケットシューズをはじめとするハイテク化したシューズが熱狂的に支持され、ハイテク×ストリートがファッションの主流に。携帯電話の普及によりそれまでのコミュニケーションが一変し、ロン毛やプリクラ、ルーズソックスなど日本独自の文化が加速した年代でもある。
ワタリからヒザにかけてやや広くなったユルめのシルエットで、ストリートファッションの特徴でもあるルーズで抜け感のある着こなしと好相性なE404。シルエットが崩れない絶妙なレングス幅は取り回しが良く動きやすいので、ストレスレスで着用できる。程よいラフさが好まれるスケートやヒップホップなど、スポーツやカルチャーシーンでも支持される1本だ。
価値観の多様化がはじまり、自分の好きな服を着用するようになった2000年代。テイストの異なるアイテムを組み合わせることで個性を生むミックスファッションがトレンドに。また、機能性を高めたアウトドアブランドアイテムがワードローブの仲間入りをするなど、90'sのハイテク化の流れを継承しつつも、それまでの見た目重視のファッションから機能との両立を求める傾向にシフトした。
2000年代に人気の出たアウトドアウエアを取り入れた着こなしは現在でも健在。タウンユースに落とし込むならトップスとパンツのギャップを狙いたい。例えば、マウンテンパーカなどオーバーサイズが好まれるアウターにはシンプルかつ、スッキリ穿きこなせるE402が適役。ヒザ下からスソにかけてシェイプしたタイトストレートなシルエットは、ボリューミーなスニーカーとも好相性!
大きな災害を経験したことで、消費するファッションから世代を越えた価値観を見出すファッションへと変化した2010年代。自分らしさの探求という観点からこだわりのウエアを主軸とする「ワンテイスト」のコーディネートが台頭。ストーリーを感じるアイテムやこだわりの品質など他人の目より自分の心を満足させる本物志向のアーバンファッションが好まれる時代となった。
洗練されたアーバンウエアとの相性が良いスリムテーパードシルエットのE407。モモの部分からスソにかけてナチュラルなテーパードを効かせたスリムジーンズは、シャープな装いを演出しつつ着こなしを選ばない万能さが人気の理由。シーズンによって着丈の変わるトップスやアウターにも気兼ねなく着用できる。クローゼットに一本あるだけでコーディネート迷子にならないのが嬉しい!
SNSの普及により、個人レベルでファッション情報を発信する時代に。個性がより尊重され、ファッションはマインドを表現する一つの手段へと変化した。あらゆる世代が経験した魅力的なテイストやディティールは現代のものとしてリバイバルされ、自己表現の方法として取り入れられている。テクノロジーの進歩と装いのさらなる多様化は、ますますファッションを深く面白くしてくれそうだ。
内股のパターンなど、こだわり抜いたストレートシルエットが持ち味のE403。1981年~現在に至るまで、上記でご紹介した全時代のコーディネートに合わせられてしまう万能さは、まさにジーンズの原点にして永世定番。後ろポケットに入る「W」のステッチのように、EDWINのアイデンティティとも言えるインターナショナルベーシックシリーズの基本にして鉄板のジーンズなのだ。