POPEYE 4月号掲載(3/9発売)

NEWS

2019/03/09

POPEYE 4月号掲載(3/9発売)

広告を見れば、ブランドのセンスがわかるものだね。


illustration & title calligraphy:Yu Nagaba
text:Tamio Ogasawara




'70年代の〈エドウイン〉の広告のテーマは、ジーンズ啓蒙、プロダクト紹介、青春謳歌の3 つ。 「ふいに心がボロボロになっても、俺は瞬時にそいつに耐える姿勢を選べる。エドウイン。」 というのは、ローリングストーン誌での広告だが、ジーンズも見えず、ジーンズという言葉も出さない、 青春ものの傑作だ。最近ではこれら過去の広告をグラフィックに使ったロンTも出していて、 「番傘」「ALL JEANS WORLD OF EDWIN」「すみません返してください」の広告が使われている。 意外といったら失礼だが、結構格好いい仕上がり。




時代を映す鏡のひとつに、広告がある。2010年代も終わろうとしているが、昨今の広告のつまらなさといったら、 出る杭は打たれないように、正しいことを退屈な限り正しく伝えているだけで、ちょっと残念すぎやしないかい? クライアントの意向が強いのか、創造の世界へと自由に羽ばたけずに地面を歩いていたら、そりゃそう思われる。
上の写真はすべて〈エドウイン〉の'70年代の広告である。《どこのジーンズをはいたっていいじゃない》って、どの口が言っているんだと今だったら怒られる。《どのブランドを選ぼうと、自分の身体にフィットすればいいのです》って、ほんといいこと言っているし、逆にはきたくなるけどね。 時代的には「太陽にほえろ!」のジーパン刑事全盛で、「ジーパン」ではなく、「ジーンズ」という言葉を啓蒙していた頃だから、《エドウインはジーンズです。》なんて、見りゃわかるだろばかやろうって広告も堂々と出していたくらいで、 しゃがんでいろいろ頑張っている様がむしろ格好よかったわけだ。その名残か、本社に電話すると、いまだに「ブルージーンズのエドウインです」って出るから根は深い。
一方で、品質や2、3日続けてはくと一回り大きいサイズになるなどの製品寄りの広告もあったかと思えば、負けの美学、一匹狼、反逆精神といった若者の気持ちを代弁するかのような広告も打ち出す。 果ては着物の女性と相合い番傘に、ジーンズに下駄で歩く「俺たちの旅」的イラスト広告に行き着く。見ても何のことだか分からないが、一度見たら忘れられないいいビジュアル。 こういう広告ってやっぱいいね。エドウイン。これからもよろしく。

(C)マガジンハウス2019 POPEYE4月号掲載